扶養的慰謝料

離婚慰謝料の前提的な基礎知識として、離婚に際して支払われる金銭には三つの種類があります。第一に、夫婦の財産関係の「清算」、第二に離婚にともなる「損害の賠償」、第三に離婚後生活に困窮する配偶者の「扶養」です。法的に慰謝料と呼ばれるものは厳密にいうと、二番目の「損害の賠償」のみであるが、法律の世界以外ではすべてをひっくるめて慰謝料と呼ばれることもあり、勘違いしやすいものです。そして三番目の「扶養」についても「扶養的慰謝料」と呼ばれることもあります。

 
「扶養」は「清算」や「慰謝料」の観念ではどうしても賄いきれない部分、すなわち離婚妻の経済的に地位の保護という要請を直接満たすものが必要となります。それが離婚給付における「扶養」の要素です。ですからどのように正当化するかは困難な問題となってきます。

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現在の有力な考え方として、離婚によって一方が生活困窮に陥る場合、放っておけば生活保護を受けることになるから、結局、税金で扶養することになります。しかし、無縁の国民の負担にするよりはもと配偶者の負担とすることが望ましいのでこの「扶養」を認めるという考え方です。
ですから、「扶養」が認められるには、「清算」や「慰謝料」では賄えきれないという補充性が必要のほか、生活保護を受けるほどに困窮しているという客観的な事情が必要となってくるのです。

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